我々は下半身不随について無知が過ぎたのかもしれない

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私が中高生の頃、学校に下半身不随の車椅子ユーザーが講演に来て、このような話をされた覚えがあります。「私は脚への神経が途切れており感覚がありません。極端な例えですが、寝ている間にノコギリで脚を切断されても気付かないでしょう」

最近、「仮面女子」の猪狩ともかさんがある質問に答えていました。「脊髄損傷で脚が動かないのにリズムを取れるのか」という質問です。猪狩さんもまた、事故で脊髄を損傷し下半身不随となった車椅子ユーザー。質問には疑いのニュアンスも含まれていましたが、それでも丁寧に回答しています。

まとめると、「脚ではリズムを取れません。代わりに腰を左右に振るのですが、それで脚も連動するようです」とのことで、腰を揺らせば振り子のように脚も揺らせるらしいです。肩や腕の力を抜いても上体を捻れば腕は揺れるので、その感じでしょうか。要するに、腰までの神経回路は生きており脚はそれにぶら下がった振り子に過ぎないようです。

我々は未だに、下半身不随に対して知らないことが沢山あるように思えます。障害への無知を思い知らされる場面は往々にして存在しますが、比較的分かりやすい筈の下半身不随に対してすらも知ったつもりに過ぎなかったのは少しショックですね。ただ、考えてみればひとくちに下半身不随といっても背景や程度が人によって違うことは当たり前の話です。「自分がそうなって初めて分かる」などと暴力的な結論で済まさぬよう、“その障害”を持たない人が学び続けるのは大人にとってあるべき教養であり、それは下半身不随に限らずどの障害にも当てはまります。

参考サイト

車椅子アイドル、脊髄損傷なのに「脚動いてる」疑問に回答
https://news.yahoo.co.jp

遥けき博愛の郷

遥けき博愛の郷

大学4年の時に就活うつとなり、紆余曲折を経て自閉症スペクトラムと診断される。書く話題のきっかけは大体Twitterというぐらいのツイ廃。最近の悩みはデレステのLv26譜面から詰まっていること。

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