リモートワークのメリットデメリット ~障害者が就職を目指す上での課題とは
暮らし 仕事Photo by Christin Hume on Unsplash
私は重度身体障害者なので出社しての就労は難しいのですが、決して一般就労を諦めてはいません。そこで鍵となってくるのが在宅ワークという働き方です。当然在宅ワークにもメリットデメリットがありますので皆さんにご紹介しつつ、障害者にとっての理想的な働き方について考察していきたいと思います。
リモートワークのメリット
〇通勤しなくて良い・馴染みのある環境で働く事ができる
この点は主に身体障害者にとって通勤における移動負担がなくなるいう事は大きなプラスだと捉える事ができます。その上で、通勤しなくて良いという事は当然自宅で働くという事になるので、精神的にも安心して個人のペースで仕事をする事が可能になるという点は非常に大きな利点なのではないでしょうか。
リモートワークのデメリット
〇コミュニケーションが図りづらい、オンとオフが切り替えづらい、就業中にヘルパーさんを利用する事ができない
リモートワークの課題といえば現状ではこの3点を挙げる事ができるでしょう。ただ、オンとオフの切り替えに関しては個人の心持ち次第でなんとでもなるというのが私の個人的な意見です。そこで重要となってくる事が就業中はヘルパーさんの利用ができないという点と出社するケースと比較して意思疎通の連携が図りづらくなるという点だと思います。それではこれらの課題についてより詳細に見ていく事にしましょう。
リモートワークが幅広く波及したと同時にzoomやLINE等のコミュニケーションツールも並行して発達してきました。とはいえ、仮に自分で作業を進めていく中で理解する事が難しい事柄が出てきた場合、直接会社の方に質問する方が質問の意図が伝わりやすく解決しやすい事は間違いありません。社員同士のコミュニケーションという観点でリモートワークはオフィスワークに劣っていると感じるので、そこの差を今後どのようにして埋めていくのという事も非常に重要な課題なのではないでしょうか。
この件はリモートワーク、オフィスワークに限らず共通の難点なのですが、制度の関係上就労時間中は重度訪問介護、という仕組みを使う事ができません。皆さんにも分かりやすく私に当てはめて説明するとするなら、仕事中のヘルパー利用ができない為、仕事中にお手洗いに行く事すらできないという事になります。
現状の打開策としては企業側と相談の上で超短期での在宅ワークにして頂くか、完全に入居施設側のサービスとして身体介護をして頂くか、全国で唯一、就労中のヘルパー利用が認められているさいたま市へ移住するのか、の3つの選択肢しかありません。現状私は施設内就労が可能な障害施設に入居していますが、将来的には結婚を考えており、現在入居している施設が単身の方用の施設という事もあり退去を考えているという事実を踏まえると先の事なので分かりませんが現在入居している施設で半永久的に在宅ワークを続けながら日々暮らしていく、というのはあまり現実的な考え方ではないのかもしれません。
結論
今回は障害者、その中でも特に身体障害者におけるリモートワークのメリットデメリットを私という実例を用いて考察してきました。身体的負担が軽減され働き方の幅が広がる、という観点から個人的には在宅ワークであることのメリットの方が大きいと考えているので、障害の程度によりそれぞれ個人の障害の特性に合わせた工夫は必要ですが将来全国的に就労中でもヘルパー利用が認められて在宅ワークがより一層波及しつつもコミュニケーション充実、現状確認の為に月に一度、もしくは数か月に一度程度オフィスワークを行う。私はこれが障害者、特に身体障害者に関しては理想的な働き方だと思うのですが、読者の皆さんはどのようにお考えでしょうか?
≪参考文献≫
出典:『Agent Sana 転職活動コラム 障がい者にとっての在宅ワークのメリット/デメリットまとめ』より
https://www.agent-sana.com/column/home_employment/
出典:『My My Link テレワーク(在宅勤務)で働きたい障害者必見!知らないと損するメリット・デメリット』より
https://mymylink.jp/advantages-and-disadvantages-of-telework/
出典:『朝日新聞DIGITAL重度障害者が就労時の介助 さいたま市の制度に国が追随』より
https://www.asahi.com/articles/ASNB26V6HNB2UTNB00M.html
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