ギランバレー症候群とは?その原因と治療方法は
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みなさんは「ギランバレー症候群」という病気を知っていますか?筋肉を動かすときに使う、末梢神経が障害を起こす病気で、手や足に力が入らなくなり、場合によっては食事をすることも困難になります。人口10万人あたり年間1〜2人が発症すると推定されており、日本では特定疾患の難病に指定されています。
今回はそんなギランバレー症候群の症状、原因、そして治療法について解説します。
ギランバレー症候群の症状
多くの場合、風邪によく似た症状(咳、腹痛、下痢など)から始まり、1〜2週間後に、急に手や足に力が入らなくなったりします。
筋肉を動かすときに使う、末梢神経が障害を起こすため、手足にしびれや痛みがでることもあります。正座をしたときなどに起こる血流障害によるしびれとは違い、何もしていなくてもしびれます。
<p場合によっては球麻痺が起こり、食べ物を飲み込みにくい、しゃべりにくい、ろれつが回らないなどの嚥下障害も発症します。重症化して食事が困難になると、胃や十二指腸などに管を通し、流動食を使って必要な栄養や水分をとる必要もでてきます。
また、自立神経が侵されると不整脈、起立性低血圧にもなります。重症化すると、全身の筋肉を動かせなくなり、人工呼吸器の装着が必要になります。
ギランバレー症候群の原因
原因は、まだ完全にはわかっていません。ウィルス、細菌感染が引き金となり、本来は自分の身体を守るはずの免疫システムが異常を起こしているといわれています。自分の細胞と外から侵入してきたウィルスとが判断できなくなり、末梢神経を攻撃してしまうのです。発症後、2〜4週間くらいが症状が重くなりますが、そのあと、少しずつ改善されていきます。
ギランバレー症候群の治療
ギランバレー症候群から回復するためには運動療法、作業療法、心理的支持療法、言語訓練、嚥下訓練などのリハビリ治療が必要です。
リハビリは次の3つに分類されます。
①麻痺期 二次合併症の予防を目的に行う。
②回復期 筋力の回復を目的に行う。
③安定期 体力の向上、早期社会復帰を目的に行う。
回復が早いケースの特徴
・軽症である
・早期診断、早期治療を受けられた
・若くて体力がある
・絶対に回復させたいと、強い信念を持って積極的にリハビリを行った
リハビリにおける注意点
筋力低下している場合、強すぎる訓練はまひした筋肉を傷めます。無理をしないように注意しましょう。
ギランバレー症候群は現在のところ、これといった予防方法はありません。風邪をひいた1〜3週間後に、急に脱力するなどの症状がでれば、速やかに専門医へ相談しましょう。早期発見によって適切な処置をを受けることができれば、後遺症なく全快できるケースも多いです。