信じられない、自分が"うつ病"になってしまった。
うつ病出典:Photo by Scott Graham on Unsplash
今までも、落ち込んだり、嫌なことがまったくなかった人生ではないですが、「うつ病」になるようなほど、プレッシャーを感じたことはなかったと思います。今までは、何とか乗り切ってきたのだと思います。だからこそ、自分自身には関係ないであろうと思っていた「うつ病」。しかし、今はその「うつ病」と向き合っています。
謎の体調不良?
ある時、体の異変に気付きました。それは、慢性的に胃痛と嘔吐。最初は「食あたり」か「食べすぎ」かと思っていましたが、その状況が1ヶ月以上続いていたので、これはおかしいと思い、会社の医務室に相談すると、消化器内科の受診を勧められ、病院を受診しました。結果、診断名は「逆流性食道炎」とのことで、薬を処方されました。それでも、状況は変化せず再度の受診を勧められ、今度は胃カメラ。しかし、診断名は変わらず「逆流性食道炎」でした。その後は、薬の効能により、胃痛と嘔吐は徐々に軽減されていきました。
体の異変はさらに続きます。食事がとれなくなってきました、あわせて、夜に睡眠をとることが難しくなってきていました。いよいよ「これはおかしい」と思い、今度は会社の産業医に健康相談しました。今考えてみると、この時には「うつ病」の兆候がもう出始めていたのです。しかし、自分の頭の中には、そういうことはまったく思いつかず、他の病気が原因ではないかと、見当違いな悩みを持っていました。
「急激な体重の減少」と「夜、眠れない」が続く!!
その当時は、独り住まいをしていたのですが家族と再会した時には、私と遠目では判断できないぐらい痩せていたそうです。「食事を少量しかとらない」といった体重減少の要因はありましたが、もう一つは、仕事のストレス解消のために通っていた「ジム」です。この「ジム」通いで体重が減少していると思い込んでいました。
家族が心配して、普段の生活を確認してきたのですが、「ジム」に通っているから体重が減少していると話して、自分自身では心配していませんでした。しかし、今振り返ってみると、通常の運動で減少していく量ではありません。体重は3ヶ月でなんと「40kg」も減少していたのです。これには、さすがに自分自身もおかしいと思いました。しかし、この段階では、何も対処を行っていませんでした。
あわせて、夜も睡眠がとれていません。2日徹夜で、3日目に疲れて気を失うように眠るといった状態が続いていました。しかし、日中に眠気がくることありませんでした。当然ですが、日中は、頭痛に悩まされることが多く、業務への指示出しなどの判断が鈍化している状況です。これも、自分では気付かず、上司からの指摘で気付くほど、自分自身の体調の変化に鈍感でした。
ここで対処できていれば、このあと続く深刻な状況に陥ることはなかったのかもしれません。
いよいよ心療内科への受診!!
「食事がとれない」「夜、眠れない」が3ヶ月ぐらいが続いている状況で、やはり、自分自身の体のどこかがおかしいと思っていました。しかし、具体的にどこがおかしいとわかるはずがありません。そこで再度、会社の医務室に相談しました。状況を詳細に語り、自身のつらい状況をありのままに話したのです。
勧められたのは「心療内科」への受診でした。自分自身「心療内科」への受診には正直、抵抗がありました。しかし、強い勧めもあり、一度受診しました。初診の際に、医師から言われたことは「なぜもっと早くにこなかったのか」そして、重いうつ状態であることが告げられました。その宣告に、かなり強い衝撃を受けました。自分には、まったく関係のない病気だと考えていたからです。そこには、現実を受け入れられない自分がいました。
ここからが、私にとっての「うつ病」との本当の闘いのはじまりでした。
「うつ病」との闘い
まずは、薬物治療と1週間に1度の通院です。薬物治療により、本当に助かったのは「夜、眠れる」ことです。薬の効能のおかげで、夜が怖くなくなりました。今までは、夜、眠れないので、夜になるのが恐怖でしかなかったのです。これが、1番私を助けてくれました。あわせて「食事を適量とる」こともできるようになりました。これで、日常生活への不安はなくなりました。
しかし、病気の根本的な要因へのアプローチができていませんでした。それは、人間関係でした。職場での対人関係が根本的な要因だったのです。「うつ病」との診断がなされてから、上司に相談しましたが、解決にはいたりませんでした。そのまま、業務を続けていくうちに、病状はどんどん悪化していったのです。
「食事をとる」「夜、眠ること」は薬物治療で改善できていましたが、人間関係はますますひどくなっていきました。必要最低限のコミュニケーションだけで業務を行っていました。そのせいで、些細なことの報告漏れなどで、業務が遅延することもありました。そのことで、また自分を責め、どんどん落ち込み、次第には会社を休みがちになってしまい、出社することへの苦痛がはじまりました。
時には、通勤電車を降車後、倒れ込むこともありました。また、気分が悪くなり、駅で嘔吐してから出社することもしばしば。医師に相談したところ、そこではじめて休職という助言をもらいました。診断書を出してもらい、休職することとなりました。もっと早く「心療内科」への受診しなかったのかと自分を責めました。
休職をしたことで、心のストレスは解消されました。しかし、休職期間が長引くにつれ、会社に復帰できるのか不安が出てきました。その後、復職はできたものの、職場環境に変化はなく、すぐにまた体調を崩しはじめました。その後、退職の道を選びました。
「落ち込みがある」「気分がすぐれない」で悩んでいる人へ
私はうつ病で1番大切な初動に誤りがありました。私のようにならないために、次のことに気を付けてください。まずは、自分の体にいつもと違う変化はないか?それが継続的に続いていないか?
まずは、信頼できるかかりつけ医に相談してみてください。もしかしたら、その医師の別の病院や専門病院を紹介してくれるかもしれません。「うつ病」に1度なってしまうと治療に長い期間を要します。そうならないためにも、早めの対処が必要です。私の経験から、「手を打つ」に早いにこしたことはないと思います。
うつ病