しんどい心をゆるめる読書録#6~『幸せになる勇気』

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こんにちは、かのんです。

今回はしんどい心をゆるめる読書録第6回となります。

取り上げた本は前回お話したように、『幸せになる勇気』です。

前回は『嫌われる勇気』の本のコラムを書きましたが、今回はその続編にあたります。

統合失調症の当事者の1人として、本を読んでどのような感想を持ったのか、お話していきたいなと思います。

この本は青年と哲人の2人の対話形式で書かれています。

アドラーの哲学について書かれた本です。本自体は先を知りたくて、読みふけってしまいます。ですが内容はとても厳しいことが書かれています。


哲人は哲学は『愛知学』であると教えてくれ、その学びや考えることは永遠であり、答えはまだ知らないと言います。

途中で止まればそれは宗教、と。アドラー心理学はその宗教ではなく、哲学であると説きます。


そして私はこの本の第1部のお話が大好きです、
『悪いあの人。かわいそうな私。これからどうするか』ということが書かれています。

私は長い間精神科に通院すると共に、カウンセリングも受けています。

そのカウンセリングでは私は約4~5年前までは、ずっと苦しみを訴え続けていました。

これが苦しい。家が苦しい。ここがつらい。これに腹が立つ……などなど。数えきれないくらいの悩みを訴え続けていたと思います。

私の病状自体もあまり芳しくなかったので、その話ばかりをしていたと思うのですが、今から約4年前に、この『幸せになる勇気』でこの、お話を目にした時から、はっと気が付くことが出てきました。

私はあの人が嫌だ。あの人のせいだ。とか、私はこうこうこう思っている。と、人を非難するか、自分がいかに苦しんでいるかを話ていました。ですがこの第3の問い。

『これからどうするか』で、苦しみが少しずつ和らいでいったのです。

約4年前に処方してもらってお薬の種類も少し変えてもらって、それが効いたというのもあると思いますが、私はこれからどうするか?どうしたいか?を考えるようになったのです。ある意味お薬が変わって、少し安定してきたから、これからどうしたいか?を考える余裕が出て来たこともあると思います。それともう1つ。私はこの頃、手帳に色々と書くようになってきました。手帳のマンスリーページにはこれからどうしたいか?の予定を書き込んだり、メモページには、その時々に想ったことを書き残していたり。

私は精神科で診察をしてもらう時に、毎回ノートに聞いてもらい事や話したい事。聞きたいことなどを書いてから、診察やカウンセリングに臨んでいました。

今も昔のノートは残しているのですが、十数年前のノートの内奥と、ここ数年、3~4年の間のノートの内容と見比べると、かなり前向きな事柄を書くようになっていたり、しんどい事柄も、医師の話を書き留めているのを、ちゃんと実行に移せるようにもなってきていたのです。

それくらい私にとって、この第3の問いの『これからどうするか?』は、衝撃的な言葉でした。

それと共に、長らく精神の病を患ってきて、1つの突破口の入り口の役割も果たしてくれたのです。

長らく病気を患っていると、まったく良くなる気配がないと想えて、自暴自棄になる時も何度もありました。

ですが、病気が回復してきて本を読めるようになってから2冊目に読んだこの本が、これから先の私の中での病気への向き合い方を変えてくれたのです。


そして第2部を読み進めていくと、私にとって耳の痛い話でしたが、自分が注目してもらいたいがために、『復讐』という形で、引きこもりや問題行動を引き起こしていた可能性もあるなあと思えました。

私は幼い頃から虐待などもあり、両親との関係が上手くいっていませんでした。

ですので、愛着障害や複雑性PTSDも抱えてしまっています。

ですが自分にとっては代わりのいない親なので、自分に注目してもらいたい、こっちを向いて欲しい、分かって欲しい。という想いから、複雑に絡み合った精神病を発症してしまったのかな?とも今では思えています。

またいつか愛着障害の事もお話出来る日が来ればいいなとも思っています。

愛着障害については、今色々な本を読みながら、勉強中の毎日です。

と、この『幸せになる勇気』は第5部からなっているのですが、第1部、第2部だけでも読み応えが凄いです。

最後の第5部では哲人は、愛について話てくれます。

そして哲人も青年も語り明かします。歩みを止めないために。

これからも考え更新しつづけていくと。

この本を読んで、私はアドラー心理学に凄く興味を惹かれました。

それと共に、考え方、生き方を教えてくれたように思います。

答えはない。その答えを探し考え、最良のモノとするために、私も歩み続けたいと、そう思えました。


参考文献
『幸せになる勇気』
著者 岸見一郎
   古賀史健
発行所 ダイヤモンド社

かのん

かのん

20代前半の大学生の頃に精神科を受診。統合失調症と診断される。統合失調症の中でも、不安障害やPTSDなど症状は多岐に渡る。GW(グループワーク)や、地域活動支援センターなどを利用し、紆余曲折を経て現在就労継続支援B型へと通所と在宅を併せての利用の運びとなった。
創作が好きでイラストや漫画を描いたり、小説を書くことを趣味としている。

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