しんどい心をゆるめる読書録#7~『ほどよく孤独に生きてみる』

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こんにちは、かのんです。

今回はしんどい心をゆるめる読書録第7回となります。

統合失調症の当事者の1人として、本を読んでどんな感想を抱いたのかを書いていきますね。

今回の『ほどよく孤独に生きてみる』は、書店で手に取った1冊です。

この本は第5章でなっていて、90歳を過ぎてなお現役の医師である著者の方からの、人生を生きやすくするためのメッセージが、63項目にわたり、書かれています。

最初の数ページにはカラーの写真付きで、心が洗われるようなやさしい印象の写真を観て、この本を読み進めていくのが楽しみになりました。


この本を読んでみて、私は子供の時から家庭でも学校でも居場所が無く、寂しい思いをしていたことを思い返しながら読んでいました。

約20年前に病気を患ってから、母が私のお世話をしてくれるようになりましたが、それ以前は母ですら、毎日のおはようの挨拶も誰もしてくれなく、家に居ても誰とも会話出来ずで、本当に辛かったなあと、今では過去の事として思います。

たまにその時に引き戻されて、落ち込んでしまうこともありますが、今現在は、『過去』のモノとして少しずつ受け入れ始めれた自分がいることにも気が付きました。
過去は変えられない。その変えられない過去をどうにかしたいと、長年悩んでも来ました。

ですが、はやり過去は変えられません。

ですので、今の私の考え方としては、過去に執着するのではなく、『今、ここ』を生きていく。そしてこの『今』の続きに『未来』がある、という前向きな考え方に変わりつつあります。

話を戻しますね。

この本の内容は、タイトルにもあるように『ほどよく孤独に生きる』ということをテーマにして書かれています。

著者の豊かな人生経験の中から、ほっとやさしく、癒してくれるような。肩の力を抜いて、背中をぽんと後押ししてくれるような内容です。

人は、みんなそれぞれ孤独を大なり小なり抱えているものですし、人にはそれぞれに癒す力があると。著者はお医者さんであり、個々のことには無用に立ち入らず、それぞれの治癒力を信じて、日々治療を行われているとのことです。

私も長年精神の病を患ってきていますが、初期の頃は本当にどうしようもなくひどい状態でしたが、段々と年齢を重ねるにつれ、また、お薬の処方の仕方も変わり、自分に合うお薬を処方してもらって、随分と、(まだまだ大変ではありますが)初期の頃、15年前、10年前に比べれば、こうしてPCで文章を書けるくらい、イラストを描けるくらい、本を読めるくらいに、病状が安定してきてはいます。

これも著者の言う、人に備わっている治癒力と関係があるのではないでしょうか。

そして好きな内容で、『おひとり時間を充実させる』良さも書かれています。

コロナ渦以降、必然的におひとりさま時間にならざるを得なかった方々も沢山いらっしゃるのではないでしょうか?

またそれとは反対に、電話や、私は詳しくはないのですが、ビデオチャットやZOOMを使ったリモート会議など、離れた場所からでも顏を観て話が出来る機能が充実しだしてきたのも、人々がそれぞれ生活をよりよくしようと開発されてきたことではないかと思います。

何にせよ、1人で過ごす時間を見直して、自分を内省する機会にはなったように感じます。

他にもまだまだ気に入ったお話が沢山あるのですが、『相手の範疇には立ち入らない』ということも、覚えておきたいなと思いました。

私は今(2025年)から約20年前に病気を患って以来、ずっと母に頼りっぱなしでした。

母に依存していたと言っても過言ではありません。

そんな私にとって大切な母ですが、母にも母の人生があります。

母は私を大事な子供と言って、世話を焼いてくれますが、母自身の時間も大切にしていってほしいなと思っています。

母のしたいことの邪魔はなるべくしないように。

これからは逆に母の助けになるような事を沢山出来ればいいなと考えているのです。

母も高齢ですから、あまり遠出は出来そうにありませんが、母とまだまだ色々と出かけて、楽しい想いや美味しい物を食べて欲しい、そう切に願っています。


『ほどよく孤独に生きてみる』というこの本は、読みやすく書かれているので、お時間のある時にでも、一度読んでみるのもいいかもしれません。

それでは今回はこの辺で。また次回、よろしくお願いします。


参考文献
『ほどよく孤独に生きてみる』
著者 藤井英子
発行所 株式会社サンマーク出版

かのん

かのん

20代前半の大学生の頃に精神科を受診。統合失調症と診断される。統合失調症の中でも、不安障害やPTSDなど症状は多岐に渡る。GW(グループワーク)や、地域活動支援センターなどを利用し、紆余曲折を経て現在就労継続支援B型へと通所と在宅を併せての利用の運びとなった。
創作が好きでイラストや漫画を描いたり、小説を書くことを趣味としている。

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